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ローイング競技について
競漕会
日本ローイング協会が主催または主管し、現在行っている競漕会はつぎの通りです。
※開催時期は変動します。
国内レース
- 5月:全日本マスターズレガッタ(1,000m/500m)
- 7月:全日本社会人選手権(2,000m)
- 7月:全日本中学選手権(全中)(1,000m)
- 7~8月:全日本高等学校選手権(インターハイ、高校総体)(1,000m)
- 8月:全日本大学選手権(インカレ、インターカレッジ)(2,000m)
- 8月:オックスフォード盾レガッタ(2,000m)
- 9月:全日本選手権競漕大会(2,000m)
- 9~10月:国民体育大会ボート競技(国体)(1,000m)
- 11月:全日本新人選手権(2,000m)
- 3月:全国高等学校選抜ボート大会(2,000m)
国際レース
艇、競漕種目、距離
種目の略号と呼称
種目 |
略号 |
日本語呼称 |
男子種目 | M | 男子 |
女子種目 | W | 女子 |
男子軽量級種目 | LM | 男子軽量 |
女子軽量級種目 | LW | 女子軽量 |
男子ジュニア種目 | JM | ジュニア男子 |
女子ジュニア種目 | JW | ジュニア女子 |
競漕規則において次の10種目を定めています。
種目 |
艇の重量 |
記号 |
距離 |
舵手(だしゅ)つきフォア | 51kg以上 | 4+ | 2,000 | 1,000 |
ダブルスカル | 27kg以上 | 2x | 2,000 | 1,000 |
ペア | 27kg以上 | 2- | 2,000 | 1,000 |
シングルスカル | 14kg以上 | 1x | 2,000 | 1,000 |
舵手つきペア | 32kg以上 | 2+ | 2,000 | 1,000 |
フォア | 50kg以上 | 4- | 2,000 | 1,000 |
クオドルプル | 52kg以上 | 4x | 2,000 | 1,000 |
エイト | 96kg以上 | 8+ | 2,000 | 1,000 |
舵手つきクオドルプル | 53kg以上 | 4x+ | 2,000 | 1,000 |
ナックルフォア | | KF | | 1,000 |
ナックルフォア以外の艇をシェル艇と称します。
- 記号の数字は漕手の人数を示します。2は2人漕ぎ、4は4人漕ぎになります。
- 記号の+と-は、+はCoxありを、-はCoxなしを意味します。
- 記号のxは、スカルオール(1.4kg前後)を右手と左手に各1本ずつ、計2本を持って、艇の両側からそれぞれ出して使用します。xのない種目は1人がスィーブオール(2.5Kg前後)を1本持つ種目です。
- 舵手つきクオドルプル(4x+)は、スカルオール(1人2本)を使用する4人の漕手にCoxを加えた計5人が乗ります。
- 艇の重量制限については、国際ボート連盟(World Rowing)の規則に準じているため変更になる場合があります。
オリンピックをはじめとする主要な国際大会は2,000mで行います。
- 国内の日本ローイング協会主催大会においても全日本、全日本軽量級、インカレ、全日本新人、オッスクフォード盾、高校選抜は2,000mで行います。
- 国体、インターハイ、全中、マスターズ(シェル種目)は1,000mで行います。
- マスターズ(ナックルフォア種目)とお台場レガッタは500mで行います。
- 世界で最も有名な大会である英国のケンブリッジ大学とオックスフォード大学との対校戦「The Boat Race」は蛇行した約6.8kmコースで行います。
- 世界で最も権威のある英国の「Henley Royal Regatta」は約2,112mの直線コースで行います。
- 長い距離をタイムトライアルで競う「ロングレース」や当該水域の最速チャンピオンを決める「ヘッドレース」は蛇行したり折り返したりする5km~10kmのコースで行うことが多いです。
例えば約9,000人が出場する米国の「Head of the Charles」は蛇行した5.1kmコースで競います。
舵手つきペアは男子のみの種目です。
- 主要な国際大会以外、および国内の日本ボート協会主催大会以外(マスターズ大会とお台場レガッタを除く)では、男女混成による「Mix種目」を設ける大会があります。
競漕規則に定めた上記10種目の艇のほかにも、国内外にさまざまな艇種があります。
- 舵手つきの8人漕ぎスカル艇「オクトプル」
- 舵手つきの6人漕ぎナックル艇「ナックルシックス」
- ナックルフォアを改良・軽量化した舵手つきの4人漕ぎ艇「ツーリングボート」
- 小型ヨットのように浜辺で離着岸できる湾内や近海レース向きの「コースタル艇」
- 艇幅が広く小型キャビンを供えた外洋長距離レースに特化した「オーシャンボート」、等。
艇やオールの材質はGlass FiberやCarbon Fiberを用いた複合材料が多用されています。
軽量級
軽量級競漕大会では、艇の種類を問わず、ユニフォームを含む漕手の体重に制限を設けています。
1.男子
- 漕手の平均体重が70kg以下で、かつ個人の体重が72.5kg以下です。
- シングルスカルの漕手は72.5kg以下です。
2.女子
- 漕手の平均体重が57kg以下で、かつ漕手個人の体重が59kg以下です。
- シングルスカル漕手は59kg以下です。
3.Cox(舵手)
- 男子 ユニフォームを含めて55kg以上
- 女子 ユニフォームを含めて50kg以上
※Coxの体重制限はオープン競技と同じです。
※男子、女子とも規定の体重に満たない場合は、最大限10kgのデッドウェイトを置かなければなりません。
競技方法
- 発艇は、各レーンに設けられたステイク・ボードに船尾をつけ、艇首を発艇線に並べます。
- 発艇員の予令に続いて、号令と同時に赤旗が振りおろされてスタートします。
- 2度フライングすると、除外となります。
- レース中は、不可抗力あるいは審判艇の主審が特に認めた場合を除き、「真面目な態度および正常な競漕速度」
をもって全距離を漕ぎ終えなければなりません。もしも発艇の号令にかかわらず発艇しなかったり、主審の宣告を待たずに
競漕を中止したり、フィニッシュラインを通過しなかったりしたクルーは競漕権の放棄とみなされ失格となります。
- レースの途中でコース侵害や妨害等があると、主審の判断により除外となることがあります。
- 勝敗は、艇の先端のボール(バウ・ボール)がフィニッシュラインを通過した順序で決めます。
- 競漕会においては、競漕委員会の許可なくコースに沿ってクルーに伴走することや、
競漕中、 無線装置や拡声器を用いて岸からクルーに助言や指示をすることは禁止されています。
クルーのポジションと役割
エイトの例
- 艇首に最も近い漕手をバウ(Bow、舳手)と呼び、順に2番,3番,4番,5番6,番,7番、そしてストローク(Stroke、整調)と呼びます。
Cox(コックス、舵手)は、整調と向き合って最も船尾よりに位置します。
- フォアとクオドルプルの場合は、真ん中の4人がなく、バウ,2番,3番,整調となります。
- Coxが座る位置は、エイトでは前記の通りですが、フォア、クオドルプル、ペアの場合、艇首に近いところに座ることが多くなっています。そのような艇を「トップCox艇」と呼びます。
クルーの役割
- 整調は、英語でストローク(Stroke、整調)というとおり、クルーのリード役であり、ペース配分、レートの上げ下げ等をリードし、クルー全体のリズムの中心となります。
- Coxは、艇を操舵します。また、他の漕手の動きを見ることができるため、全体の調子をみたり、声を出して励ましたり、
漕手のオールの乱れを注意したります。
- その他の漕手は、主としてエンジンの働きをしますので、一般的に体力のある選手を配します。
主な用語
- ストローク(stroke)
- オールによる1回1回の漕ぎ。(整調を指すこともあります)
- キャッチ(catch)
- オールを水中に入れること。オールの先端のブレードで水をつかむ感じがあります。
- フィニッシュ(finish)
- ストロークの最後の部分。
- フェザー(feather)
- オールを水中から抜き、ブレード部分を水平に返すこと。羽のように軽い動きが必要です。
- レート(rate)
- 一分間に漕ぐ回数。かつてはピッチ(pitch)といいました。 通常スタート・ダッシュは速い回数で加速し、
レース途中のスパートや、レース終盤のラスト・スパート等でも速くしてスピードを増します。
- パドル(paddle)
- 水中を全力で漕ぐこと。
- ライトパドル(light paddle)
- やや軽く漕ぐこと。
- イージーオール(easy oar)
- オールを水中から出して漕ぐ動作をやめること。フェザー状態で静止します。
- フォワード(forward)
- 漕手の艇尾方向、ブレードの艇首方向への動き。
- ロー・アウト(rowout)
- 体力の限界まで全力で漕ぎ切ること。