第96回全日本選手権大会


2018(平成30)年10月25日(木)~ 28日(日)の4日間、戸田ボートコースで「第96回全日本選手権大会」が行われました(主催:日本ボート協会)。

注目の男子エイトはNTT東日本が3年連続12回目の優勝を果たしました。 男子ダブルスカルはアイリスオーヤマが7年連続11回目の優勝と連覇を伸ばしました。 女子では、クオドルプルに日本代表選手が多くエントリ―しましたが、 関西電力小浜が2年連続2回目の優勝を達成し、明治安田生命やデンソー、明治大を抑えました。

レース結果は次ページ参照
https://www.jara.or.jp/race/current/2018alljapan.html

◆パラローイングエキジビション

決勝の昼休みにはパラローイング4種目(PR1W1x・PR1M1x・PR2Mix・PR3Mix4+)のエキジビションを実施しました。 現在、日本ボート協会はパラリンピックの女性選手の募集しています。

第96回全日本選手権大会
第96回全日本選手権大会

第96回全日本選手権大会
第96回全日本選手権大会

※PR1:腕・肩の機能はあるが、胴体・下肢の機能が極小またはない漕手、 PR2:腕・肩・胴体の機能があり、下肢に障がいがあるためスライディングシートが使えない漕手、 PR3:腕・肩・胴体・下肢の機能があるが四肢に障がいがある。または視覚障がいの漕手。

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◆女子種目
女子シングルスカル優勝・大石綾美(アイリスオーヤマ)

第96回全日本選手権大会

――シーズン最後のレースでした。この大会はどういった位置付けでしたか?
世界選手権などの大きな大会が終わって疲労が溜まっている中で、メンタルの部分でも難しい部分はありました。でも逆に、全日本より大きな大会を経験した後だからこそリラックスするのは目標でした。
――予選から目標通りに行けましたか?
実際は、タイムを狙って行きたかった予選からコンディションは強い逆風で、力を使い過ぎてしまいました。そこが反省点です。
――今後に向けてはどうでしょう?
2020年の東京五輪でメダルを取るというのが最大の目標。そこに向けて1日1日練習を積み重ねていければなと思います。
談:W1x優勝 大石綾美(アイリスオーヤマ)

女子舵手なしペア優勝・立命館大

第96回全日本選手権大会

――今日のレースプランは?
スタートから500mまでに出て、そこから余裕を持っていくことでした。
――その通りに行けましたか?
同じプランだった予選に比べて余裕はありませんでした。でも、コンスタントで漕ぎ始めた700m過ぎくらいには余裕が出てきました。あとはリラックスして漕げたと思います。
談:W2-優勝 立命館大 整調・上京未来

女子ダブルスカル優勝・トヨタ自動車

第96回全日本選手権大会

――レースを振り返って率直な感想は?
500m過ぎからが自分たちの得意なコンスタントでトップに立ち、落ち着いてレースプラン通りレースを運ぶことができました。
――優勝後、艇上でどんな言葉をかけましたか?
今までは個人個人で強化をしてきましたが、それが実を結び今回の結果となったことに対し、互いに「ありがとう」と声をかけ握手を交わしました。
談:W2x優勝 整調・福本温子(トヨタ自動車)

女子舵手なしクオドルプル優勝・関西電力小浜

第96回全日本選手権大会

――タフなレースが予想されましたが、安定した勝利でした。
予選で出た課題を改善できたことが大きかったと思います。
――具体的には?
全体的にリズムがよくありませんでした。決勝ではスタートからリズムよくいけました。
――レースプランは?
第2、第3クオーターで勝負していこうと。それがうまくハマったと思います。
談:W4x優勝 関西電力小浜 整調・納田麻妃

女子エイト優勝・立命館大

第96回全日本選手権大会
第96回全日本選手権大会

第96回全日本選手権大会

――W2-とのダブルエントリーの選手も乗る中での優勝でした。
ペアで優勝した2人も含めて、全員でレース中も盛り上げることができました
――レースプランは?
スタートからとにかく自艇集中。とにかく冷静になることと、絶対に第1クオーターで頭を取ることを意識していました。
――Coxのコールなどで印象に残ったことはありますか?
コールは全部印象に残っています。特に、「苦しいだろうけど、これまで漕いで来た距離に比べたらこんな距離は短い。この一瞬を頑張れ」。このコールが一番アツかった。
W8+優勝 立命館大 整調・佐野ゆりな

◆男子種目
男子シングルスカル優勝・荒川龍太(NTT東日本)

第96回全日本選手権大会

――レースを振り返っていかがですか?
序盤はよかったのですが、中盤以降ではピッチが先行してしまって長さが出ませんでした。焦ってしまっていたと思います。
――ゴール前は特にピッチ高かったように見えました?
むしろ長さが出なかった分、最後は気合いでピッチを重視しました。
――7分3秒という優勝タイムについてどう見ますか?
あまり良いとは言えない水面のコンディションでしたが、それでも7分は切らないと世界では戦えないと思います。
――シーズン最後、このレースの位置付けは?
応援に来てくださっている会社の方々にも自分の漕いでいる姿を見せられるのは嬉しいです。今シーズン最後のレースとして、漕ぎの集大成を出せればと思っていました。
――来シーズンはどう戦いますか?
まだ代表選考があります。まずは権利取りの戦いに絡むところからです。
談:M1x優勝 荒川龍太(NTT東日本)

男子ダブルスカル優勝・アイリスオーヤマ

第96回全日本選手権大会

――圧倒的な勝利でした。
スタートからゴールまで集中して行けました。途中でスピードが落ちることもありませんでした。
――レースプランを教えてください。
第2、3クオーターでスピードを落とさないように。むしろ第3クオーターからは加速していくようなイメージでした。ただ、まだ世界で戦うには十分ではありません。課題も多いレースでした。
――どのようなところですか?
後半にかけてあげていくのは当たり前で、これからはスタートでのスピードを追求していきたいと思っています。
M2x優勝 アイリスオーヤマ 整調・西村光生

男子舵手なしペア優勝・チョープロ

第96回全日本選手権大会

――レースを振り返っていかがでしたか?
スタートではNTT東日本と東北大に出られていました。でもスタートスパートが終わって、強みのコンスタントでは焦らずにいけたので、500m通過時には頭を取ることができました。結果的には、それが勝因だったかなと思います。
――競合対策のプランなどはありましたか?
予選はトップタイムで通過できました。でも周りも強いことはわかっていた。特別なことはなく、とにかく自分たちのレースをするだけでした。
――チョープロという若いチームにとって、大きな転機になりそうですね。
そうですね、結成から3年目の新しいチームです。今年は、チームが飛躍するために自分達で全日本優勝を掲げてやってきました。達成できてよかったです。
M2-優勝 チョープロ 整調・小野紘輝

男子舵手つきペア優勝・日本大

第96回全日本選手権大会

――レースを振り返っていかがでしたか?
レース前のアップの時点で練習より感じよく漕げていました。アップのようにリラックスしていければスタートからそのまま伸びていけると。スタートでいつも通り決められました。
――どの辺りから勝利を確信しましたか?
1000m過ぎてから他艇に詰められかけましたが、余裕を持って突き放すことができました。その時に、これはきたなと。その後もリラックスして漕げました。
M2+優勝 日本大 整調・河津蒼摩

男子舵手なしクオドルプル優勝・日本大

第96回全日本選手権大会

――レースを振り返っていかがですか?
予選から、良いところもあったけど課題も多かったです。朝の練習でもレース前のアップでも、課題は改善できていました。決勝レースではスタートから差を広げていくというプランがうまくいきました。周りも速かったですが、途中途中でうまく対処もできました。
M4x優勝 日本大 整調・野村大貴

男子舵手なしフォア優勝 関西電力美浜

第96回全日本選手権大会

――第1クオーター通過時は最下位、そこから尻上がりに順位を上げていきました。
最初は出られるかなと思っていたので、予想通りの展開でした。もともとそんなにスタートは強くないクルーです。前半は付いていって、中盤から勝負をしかけようというプランでした。
――ターニングポイントを挙げるとすればどこですか?
第2クオーターに差し掛かるころにバウからコールが入って、全員で反応できました。周りを見ていたので順位はわかりませんでしたが、これは伸びていくなという感じの加速感がありましたね。
M4-優勝 関西電力美浜 整調・荒木祐作

男子舵手つきフォア優勝・戸田中央総合病院RC

第96回全日本選手権大会
第96回全日本選手権大会

――予選から好成績でした。
確かに予選は狙い通りの漕ぎができましたが、準決勝で思うように調子が上がりませんでした。決勝のレースに向けては課題が残っている状態でした。
――どういったところでしょうか?
スタートでリードを奪えるのは強みですが、巡航スピードへの移行が課題だった。スプリントから出したスピードを殺さないまま、でも1800mとか持つようにできた。
M4+優勝 戸田中央総合病院RC 整調・田立健太

男子エイト優勝・NTT東日本

第96回全日本選手権大会
第96回全日本選手権大会

第96回全日本選手権大会

――全日本3連覇です。
もちろん、もっとぶっちぎりで勝つつもりでしたがどこも手強かったです。ひたすら向こうも仕掛けて来ていました。粘って粘って、なんとか勝てたという印象です。
――レース中、印象に残ったシーンはありますか?
ひとつは、1000m手前あたりで、ずっと攻めてきていた中央大が少し緩んだところ。あとは最後1500mくらいで東レがガーッと上がって来たところ。相当攻めているなと。でも、自分の声に漕手が反応してくれたことでアタックを決められて、突き放すことができました。
――レースプランを教えてください。
最初から攻め続けることと、中盤に大きなアタックを三つ入れるというところ。みんな集中力高くやってくれました。
M8+優勝 NTT東日本 Cox・佐々野大輝

【リポーター:早川大河、石阪友貴】【写真撮影:山本薫、早川大河】

第96回全日本選手権大会
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