2018(平成30)年9月6日(木)~9日(日)の4日間、埼玉県の戸田ボートコースで「第45回全日本大学選手権大会 兼 第58回オックスフォード盾レガッタ」が開かれ、延べエントリー112団体386クルー1520選手が頂点を目指して臨みました。今回、女子舵手なしペアの中央大と女子舵手つきフォアの立命館大が同種目初優勝でした。また、ともに女子種目初優勝でした(主催:日本ボート協会)。
全日本大学選手権は各種目1校1クルーのみ出場でき、1位が5点、2位が3点、3位が2点、4位が1点を獲得します。その得点の合計で男女総合優勝を決定します。 男子の総合優勝は総得点17点で日本大でした。日本大の総合優勝は13回連続、21回目です。2位は14点の仙台大、3位11点明治大でした。 女子の総合優勝は総得点11点の早稲田大。2年ぶり15回目の優勝でした。2位は9点の明治大、3位は8点の立命館大でした。
総合順位・総合得点
https://www.jara.or.jp/race/current/2018intercollege_point.html
全レース結果
https://www.jara.or.jp/race/current/2018intercollege.html
最終日のレース動画(提供:aomonoya)
https://goo.gl/vst5AW
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――大会を通して圧倒的でした。振り返っていかがですか?
初日は自分に集中して良いレースができましたが、決勝では力んでしまって内容的には良くありませんでした。でも結果がついてきたのはひとまずよかった。
――今大会を通してさらに成長できそうですか?
今年はU23とかアジア大会を経験してきました。特にアジア大会からは間があまりなくて気持ちは正直に言って辛い部分がありました。でも成長できるレースはできたと思います。来年以降もオリンピックに向けて成長していきたいです。
談:W1x優勝 早稲田大 米川志保
――レースを終えた感想は?
率直に悔しいです。
――米川選手はどんな存在?
目標であり勝つことを考えていました。今後の目標はもっともっとスピードを追求していきたいです。
談:W1x2位 日本体育大 坂井理夏
――アジア大会からの準備期間が短い中のレースでした。
アジア大会から終わってから、調子が出ないのでずっと不安でした。それでも準備期間は1週間しかないので、クルーの感覚を合わせることを重点的にやりました。レースはスタートから軽いリズムで入れて、余裕はあったので気持ちは落ち着いていました。風も吹いていましたが、大きく崩すこともなくよかったです。
談:W2x優勝 明治大 整調・瀧本日向子
――接戦でした。感想は?
相手がナショナルチームの人だったのでチャレンジャーの気持ちで挑みました。自分たちの力を出せて良かったです。自分たちの課題も明確になりました。
談:W2x2位 富山国際大 整調・吉田結友
――ゴール前は艇差もかなり空いていました。
結果的にはそうなりましたが、楽ではありませんでした。
――楽ではなかった、とは?
長く怪我に悩まされていて、復帰できたのは2カ月前でした。チームの中でも、特にスイープの練習ができた期間が短かったクルーです。それでも、クルーを信頼して漕ぎきることができたのが大きかった。バウを漕いだ林田瑞季(長崎県立大村高)とは同じ長崎出身ということもありますしね。林田だけじゃなくて、本当に周りのいろいろな方に支えられているんだなと実感できたレースでした。
談:W2-優勝 中央大 整調・田崎結女
――レースを終えた率直な感想は?
ここまでこられたのも皆さんのおかげです。来られなかったメンバーや保護者へ2位という結果で恩返しできて良かったです。
談:W2-2位 立命館大 バウ・楠菜々子
――ゴール前まで一進一退の展開でした。
スタートは最初から出遅れるだろうと予想していました。理想のプランでは、1000mまでには他艇を仕留めてトップを取っておきたかったんですが、風が巻いたり逆風だったりで出られない状態が長く続いてしまって。でも最後は若いクルーの馬力を信じてレートをあげるよう叫び続けていました。とにかく回転数を上げられて、勝ててよかったです。
談:W4x+ 早稲田大 Cox:澤田夏実
――今回の結果について。
早稲田大に勝つのを目標にしていました。皆で話して良いイメージでレースはできました。
談:W4x+2位 明治大 Cox・東夢
――ゴール前では他艇を圧倒していました。
実際は全然余裕じゃありませんでした。1000mで差をつける予定が、予想外についてこられてしまって。でも、1000mでスピードをぐっとあげて爆発させていくプランがハマりました。この時点でほかがついてこなくなったので、ここがターニングポイントになったと思います。
談:W4+優勝 立命館大 Cox・佐藤美月
――今回の結果について。
自分は4年生で、最後のインカレレースでした。後輩たちも頑張ってくれての結果でした。来年はチームで総合優勝を狙ってほしいです。
談:W4+2位 富山国際大 Cox・浦川可奈子
――アジア大会が終わってすぐのインカレでした。
ダブルスカルで出場していたアジア大会が終わって準備期間は1週間しかなく、シングルでは一回の練習で最大でも1モーション15キロくらいしか漕げていませんでした。
――最後、艇差はありましたが艇がバタついていたのが気になりました。
前半はアジア大会に向けて強化した体力でなんとか乗り切ることができましたが、レース前からリギングでかなり苦労していたり、シングルに乗り慣れていなくて風に対応できなかったりしたので、後半崩してしまうことが多かった。欲を言えば最後までちゃんと漕ぎ通したかったですが、とにかく優勝できてよかった。最後は、艇速を上げていきたい一方で上げなくても勝てる面もあり、なかなかうまく上げられませんでした。ラスト500mは課題が残るレースでした。
談:M1x優勝 中央大 宮浦真之
――今回の結果について。
優勝を目標にしてきたので悔しいです。やっぱり皆、速いなと思いました。
談:M1x2位 広島大 野口皓平
――準決勝までのタイムを見ると接戦が予想されましたが、決勝では圧倒していました。
予選と準決勝では練習してきたことが出し切れずに、不完全燃焼で終わってしまいました。あまり全体的な漕ぎのリズムがよくなくて、コンスタントで伸ばしきれなかったんです。今日は、うまく修正してリズムよく漕げました。
――レース中、どの時点で優勝を意識しましたか?
500mを過ぎてから、これまでのレースとは違って自分たちのペースに乗っていけたところですね。このペースが続けばいけると思っていましたし、実際にうまくコンスタントでも続けることができました。
談:M2x優勝 日本体育大 整調・遠山秀雄
――レースを終えての感想は?
優勝を狙って軽量級からやってきました。一生懸命できたので悔いはないです。
――インカレに向けて取り組んできたことは?
個人個人が癖の強い漕ぎだったので、改善するように取り組んできました。
談:M2x2位 富山国際大学 整調:木村竜暉
――予選から好成績でした。
正直、練習ではあまりうまくいっていなくて、実際フタを開けてみるまでどうなるかわかっていませんでしたね。よくてメダル圏内行けるかなというくらいで本番には臨みました。
――どこで勝ちを確信しましたか?
まず500m地点でいつもより良いスタートを切れたのがよかった。1000m過ぎてもコンスタントをしっかりと刻めていたので、1500mを過ぎてからは優勝を意識していました。スタートから余裕を持って、相手を見ながら自分たちの艇に集中できたのがよかったんだと思います。
談:M2-優勝 一橋大 整調・加美悠也
――監督就任初年度からの初優勝について
今回、M2-が優勝できたことは素直にうれしいです。
――監督としての抱負について
選手が夢中になれる環境を作ることが監督の責務だと感じています。選手がボートを通してどんな人間になりたいのかをサポートし、その人がなりたい人間・人生を歩めるように全力でやっていきたいです。
談:一橋大 監督・清水慶太
――接戦でしたね。
普段通り漕げていました。自分たちの持ち味はスパートでしたが、一橋大さんの方が1枚上でした。
談:M2-2位 明治大 整調・近藤祐斗
――勝因は?
スタートでしっかり前に出られたことです。多少詰められることはありましたが自分たちのペースでレースができました。クルー全体が落ち着いて振り返っていた印象でした。
談:M2+優勝 日本大 Cox:三輪拓斗
――レースを振り返っていかがですか?
個人的にはこれまであまり成績を残してきていません。バウを漕いだ瀧川も大学にはいってから未経験でボートを初めて、今ボート歴が2年目に入ったというところ。クルー結成から今日まで自分たちの軸をぶらさずにやってきたので、悔いはないです。
――軸とは?
とにかく漕ぎを共有すること。3人で理想とする漕ぎや考えることを徹底して同じにしてきました。優勝は狙えていたとは思いますが、500m以降コンスタントで日本大学に離されてしまって、地力の差が出たかなと。今後の課題ですね。
談:M2+2位 早稲田大 整調・菅原諒馬
――ゴール前1ストロークでギリギリ先行艇を差し切っての優勝でした。
前半は他艇に出られていました。周りが速いのはわかっていましたが、クルーの強みは後半の追い上げです。それを自信にして、高いレートのままで漕ぎ通すという意識をしていた結果でした。
――ゴール後、優勝したと思いましたか?
まさかさしきれたとは思いませんでした。どっちだ、どっちだ、と思っていましたが、審判艇からのコールがあってホッとしました。
談:M4x優勝 仙台大 3番・齊藤渉
――素晴らしいレースでした。振り返っていかがですか?
ラスト500mが強いクルーがいたので、しんどいレースになるのはわかっていました。皆、気持ちは一つだったので、声をかけなくても艇をうまく運ぶことができた点は良かったと思います。
談:M4x2位 同志社大 Cox・安藤優作
――レースを振り返っていかがですか?
仮想ライバルは立教大でした。予選、準決勝と同じプランでやってきたレースでしたが、決勝だけ立教対策でプランを変えました。具体的には、彼らは後半伸びてくるのがわかっていたので、前半で突っ込むプランに。相手を見ながら、仕掛けられたらこっちも仕掛けられるように、ということです。リードを保ちながら漕ぐと。それがハマりました。
談:M4-優勝 明治大 2番・菊池渉太
――レースを終えての感想は?
予選では勝っていましたが、準決勝で負けてしまい、そこで明治大に勢いがついたと思います。今日のコンディションで自分たちは艇をうまく運べませんでしたが、明治大はうまく運んでいました。
談:M4-2位 立教大 バウ・滝島俊一
――レースを振り返って。
優勝できてホッとしました。スタートがあまりうまくいかずに、プランよりは厳しいレースになりました。1500mまではずっと横並びの展開。でもクルーにパワーがあったおかげでペースを徐々に上げて攻めて行けたので、ラストクオーターで差しきれました。最後にスピードをしっかりあげられたのが勝因だと思います。
談:M4+優勝 日本大 バウ・中原友朗
――接戦でした。
格上の相手だったので、序盤から攻めましたが、やはり日本大は強かったです。
談:M4+2位 日本体育大 Cox・森映斗
M8+優勝:日本大(5分55秒91、整調:江本拓斗、7番:瀬戸淳也、6番:木村晶、5番:高瀬稜真、4番:吉田拓人、3番:石原晶太、2番:鎌田拓弥、バウ:堀江翔太、Cox:八木陽輝)
前列優勝:日本大(江本拓斗(富山県立八尾高-大沢野中)、瀬戸淳也(福井県立美方高-美浜中)、木村晶(北海道函館水産高)、高瀬稜真(大分県立日田三隈高)、吉田拓人(岐阜県立加茂高)石原晶太(群馬県立館林高)、鎌田拓弥(富山県富山第一高-大沢野中)、堀江翔太(富山県立八尾高-大沢野中)、八木陽輝(福井県立美方高)、中列2位:一橋大、後列3位:中央大
――連覇です。レースプランは?
スタートで出て、徐々に徐々に離していくことだけ考えていました。プラン通りにいったと思います。
――勝因は?
ひとりひとりの力とチーム力が重なったことです。
――どこで勝利を確信しましたか
スタートはうまくいきましたが、最後の100mまで気を抜かずに、どんどん離して行かなければという気持ちでいました。どこも弱い相手じゃないと思っていたので。
――1年間キャプテンとしてやってきて、エイト連覇も懸かっている重責も感じていましたか?
特にキャプテンとしてのプレッシャーはすごくあった。とにかくメンバー全員が強かったので。でも自分もそれに負けないくらいの気持ちとパワーを持ってやってきました。
――13年連続の総合優勝になりましたね。
総合優勝についてはあまり考えませんでした。種目ごとに自分たちのスピードを出すだけです。全員が自分たちに集中できたのが総合につながっただけだと思っています。
談:M8+優勝 日本大(総合優勝) バウ(主将)・堀江翔太
――レースを終えての感想は?
スタートに全精力をかけて挑みましたが、今回の結果となってしまいました。
談:M8+2位 一橋大 5番・田村航
――どこで勝利を確信しましたか?
「勝利する」という未来からやっていますし、確信できる圧倒的なレースをしたいですが、タフなレースになりました。
前半1000mでリードを奪うと、よし!と思いましたが、ラスト500mの明治安田生命の追い上げは怖いものでした。
1800-1900mでは、数十センチの差しかなかったのではないでしょうか。
最後は粘り強く、出し切るように本当によく漕いでくれ逃げ切ることができました。
――4連覇になりました。ここまでやってきたこととクルーのこれからの展望は?
力まずリラックスして、全員で一緒にフネを運ぶことに取り組んできましたが、まだまだ発展途上です。
これからよりユニフォーミティを高め、全日本選手権でのエイト種目日本最速タイム更新および出場全種目の優勝が目標です。
談:Ox盾優勝 NTT東日本 Cox・佐々野大輝
レース動画(佐々野Coxのコール入)はこちら
※氏名の後ろの高校名または大学名はその選手の出身校です。また、氏名の前はポジションです。Coxは舵手を示します。
【リポーター:早川大河、石阪友貴】【写真撮影:山本薫、宅島正二、早川大河】
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『全日本大学選手権 団体総合ランキング』は2014(平成26)年度に算出方法を含めて確立したものです。 特長は「総合順位・総合得点」と異なり、各種目の配点が選手数に比例している点です(例:8+ 優勝= 450 点、2 ×優勝= 100 点)。 各報告書の参考データとしてご活用ください。
男子Rank | 男子団体名 | 男子得点 | 女子Rank | 女子団体名 | 女子得点 | |
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1位 | 日本大 | 989点 | 1位 | 早稲田大 | 445点 | |
2位 | 仙台大 | 746点 | 2位 | 明治大 | 378点 | |
3位 | 一橋大 | 610点 | 3位 | 立命館大 | 320点 | |
4位 | 明治大 | 587点 | 4位 | 日本体育大 | 291点 | |
5位 | 日本体育大 | 388点 | 5位 | 富山国際大 | 286点 | |
6位 | 中央大 | 369点 | 6位 | 中央大 | 213点 | |
7位 | 同志社大 | 343点 | 7位 | 仙台大 | 171点 | |
8位 | 早稲田大 | 291点 | 8位 | 法政大 | 150点 | |
9位 | 龍谷大 | 188点 | 9位 | 立教大 | 146点 | |
10位 | 立教大 | 177点 | 10位 | 神戸大 | 85点 | |
11位 | 慶應義塾大 | 141点 | 11位 | 一橋大 | 77点 | |
12位 | 富山国際大 | 134点 | 12位 | 龍谷大 | 61点 | |
12位 | 法政大 | 134点 | 13位 | 慶應義塾大 | 51点 | |
14位 | 東京大 | 133点 | 14位 | 東京経済大 | 50点 | |
15位 | 東北大 | 101点 | 15位 | 山梨大医学部 | 45点 | |
16位 | 京都大 | 99点 | 16位 | 東京外国語大 | 35点 | |
17位 | 東海大 | 96点 | 17位 | 鹿屋体育大 | 33点 | |
18位 | 立命館大 | 78点 | 18位 | 関西大 | 30点 | |
19位 | 東京経済大 | 68点 | 18位 | 熊本大 | 30点 | |
20位 | 名古屋大 | 65点 | 20位 | 金沢大 | 28点 | |
21位 | 東京工業大 | 63点 | 21位 | 大阪大 | 25点 | |
22位 | 大阪市立大 | 60点 | 21位 | 東北大 | 25点 | |
23位 | 関西大 | 54点 | 23位 | 筑波大 | 24点 | |
24位 | 岡山大 | 51点 | 24位 | 京都大 | 20点 | |
25位 | 大阪工業大 | 45点 | 25位 | 学習院大 | 16点 | |
26位 | 大阪大 | 37点 | 26位 | 同志社大 | 15点 | |
27位 | 広島大 | 35点 | 27位 | 北海道大 | 14点 | |
28位 | 東京海洋大 | 30点 | 27位 | 名古屋大 | 14点 | |
29位 | 九州大 | 28点 | 29位 | 名古屋工業大 | 9点 | |
30位 | 岐阜経済大 | 24点 | 30位 | 成蹊大 | 7点 | |
30位 | 東京外国語大 | 24点 | 31位 | 岐阜経済大 | 6点 | |
32位 | 神戸大 | 18点 | 31位 | 早稲田理工漕艇部 | 6点 | |
33位 | 筑波大 | 17点 | 32位 | 鳥取大学 | 5点 | |
34位 | 愛媛大 | 14点 | 33位 | 東京医科歯科大学 | 2点 | |
35位 | 茨城大 | 12点 | ||||
36位 | 成蹊大 | 10点 | ||||
37位 | 関西学院大 | 9点 | ||||
38位 | 熊本大 | 7点 | ||||
39位 | 鳥取大 | 8点 | ||||
39位 | 東京医科歯科大 | 6点 | ||||
41位 | 学習院大 | 5点 | ||||
41位 | 早稲田理工漕艇部 | 5点 | ||||
43位 | 北海道大水産学部 | 3点 |
※配点(順位・選手一人あたりの点数)
1位50点,2位35点,3位25点,4位19点,5位15点,6位12点,7位10点,8位9点,9位8点,10位7点,11位6点,12位5点,13位4点,14位3点,15位2点,16位1点