日本ボート協会JARA
全国のオアズパーソンへの手紙(第62信)
日本ボート協会会長
大久保 尚武
アメリカ サラソタで行われた「2017年世界選手権」が10月1日に終了しました。日本代表クルーが出漕した4種目の成績は次の通りです。
LM4x (全16クルー) |
優勝 5位 |
フランス 日本 |
5:51:85 5:56:99 |
(A決勝) |
LW4x (全9クルー) |
優勝 6位 |
イタリア 日本 |
6:33:97 6:49:62 |
(A決勝) |
LM2x (全24クルー) |
優勝 15位 |
フランス 日本 |
6:13:10 6:31:01 |
(C決勝) |
M1x (全40クルー) |
優勝 18位 |
チェコ 日本 |
6:40:64 7:00:26 |
(C決勝) |
これで今シーズン(2016.10~2017.9)の日本代表チームの活動はすべて終了しました。さてこの1年間をどう評価するか。例年になく数多く参戦してきた国際レースの成績をどう見るかはもちろん重要ですが、同時に昨年11月、「日本ボート界を変革するための5つの課題」としてギザビエNSDが指摘したテーマの進捗状況はどうかについても、しっかり総括しなくてはなりません。
5つの課題とは ①関係諸団体との連携不足 ②国内でのトレーニング・技術の不統一 ③国際レベルに達した選手のみを国際レースに送り出すこと ④オープンカテゴリーの選手強化を行い体重に関係なく戦えるようにすること ⑤コーチと選手のスピリットを変えること(「Rowing」誌No.537 4ページ参照)。
近々 強化委員会が中心になって、しっかり総括してくれると思います。それを踏まえた上で、新年度の方針を打ち出すことになります。
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9月22日(金)に定例理事会が開かれました。決定したことのいくつかをご報告しておきます。
- 平成30年度の国内大会の日程が決まりました。ほぼ今年度と同様の考え方に基づくスケジュールになっていますので、詳細はホームページをご覧下さい。なお、5月中旬に開催予定の「軽量級選手権」は同時に主なアジア諸国を対象にした「国別対抗戦」のようなものを併催できないかと検討中ですので、日程が少し変わり木曜日からの4日間開催になるかも知れません。
またギザビエNSDから提案されている全日本選手権を、小艇(シングルとペア)選手権(春先に開催)と大艇(ダブル、フォア、エイト)選手権(秋に開催)に分ける考え方については、さらに詳細検討を重ね、再来年度からの実施の方向で進めることにしました。
なお、国際大会については、各カテゴリーの世界選手権はほぼ今年通り(7月にU-23/ポーランド、8月にU-19/チェコ、9月にシニア/ブルガリア)ですが、来年度は8月末にアジア大会/インドネシア、10月にユースオリンピック/アルゼンチンが予定されており、盛り沢山です。 - 日本パラローイング協会を日本ボート協会に統合することにしました。(平成30年7月1日付)2020東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたり、健常者スポーツと障がい者スポーツを統合して運営していこうという趣旨です。
日本のパラローイングをここまで支え発展させてきた岡本悟理事長はじめ、関係者の皆さんには心から敬意を表します。とはいえまだまだ選手層も薄く、また運営体制、支援体制とも十分とは言えない現状です。統合することにより、組織的にも人材的にも、より幅広い面からパラローイングの発展・強化に資することができると思います。また、いろいろな点で行政の支援・協力は欠かせませんので、特にボート場所在市町村の厚いご協力を心よりお願いいたします。 - FISAから強く推奨されていた2020東京オリンピック・パラリンピックの前年8月に本大会運営の確認を主な目的として「世界ジュニア選手権」を新設の海の森水上競技場で開催することにしています。オリンピック開催の前年にオリンピックと同規模の大会を行って、競技会場・施設・設備・オペレーション等をチェックして、本大会の確実な成功を目指すもので、「ロンドン大会」「リオ大会」でも同様に開催されました。特に今回は、コースが新設であるだけに絶対に欠かせないイベントだと思います。
このプレ大会は本来組織委員会が主管・運営に当たる予定でした。ところがこの春あたりから雲行きが怪しくなり、今般正式にIOCの方針変更(簡素化と経費縮減)ということで、組織委員会として主管・運営は行えないという通知が来たのです。
しかし、これは絶対にやらなければならない大会なので、困難は承知で当協会が主管して実施することを決めました。ただし、FISAの承認が必要なので、今般木村理事長と細淵理事が説明に米国サラソタまで行ってくれて了承を得ました。
この「世界ジュニア選手権」は、選手団 約600名(55カ国200クルー)、役員等約400名、合計約1000名の参加が見込まれ、ほぼオリンピックと同規模の大会です。資金手当てをはじめとして、多くの難題がひかえていますが、「これはやらざるべからず」と腹をくくることにしました。
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9月23日(土)24日(日)の両日、第26回全国市町村交流レガッタが秋田県由利本荘市の子吉川ボート場で開催されました。この有名な子吉川ボートコースを訪れるのは、わたしは初めてでしたが、思わず「いいコースだなあ!」と嘆声をあげてしまいました。緑豊かな両岸はしっかり整備され、川面は穏やかで4コースがゆったりと取れ、遠く鳥海山も望めてすばらしい環境です。そして艇庫のある「ボートプラザ‘アクアパル’」は、多目的ホールや見晴らしのよい広い食堂も併設されている、すばらしい建物です。全国屈指のスポーツ施設だと思いました。
この「全国ボート場所在市町村協議会」については、これまでも何度かご紹介してきましたが、現在32の市町村が加盟しており、毎年欠かさず「交流レガッタ」「首長会議(ボートサミット)」「議長懇話会」の3つを開催しています。他のスポーツ団体にはない、ボートの誇るべき組織であり、ボート普及の基幹になっているとわたしは考えています。
今回の議長懇話会には、23人の議長さん本人が出席され、それぞれ自分の市町村での「市町村民レガッタ」の開催などの活動状況、特に青少年育成の努力などについて報告されていました。
交流レガッタでは、「議員クルー」の対抗戦が名物であり、また夜の交流懇親会も各市町村のお国自慢で大賑わいです。楽しい2日間でした。
以上