公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

日本ボート協会JARA

全国のオアズパーソンへの手紙(第57信)

2017年5月1日
日本ボート協会会長
大久保 尚武
会長写真

3月末の最終選考レースの結果をふまえて、ナショナルチーム(日本代表候補選手)の陣容が決まり、各カテゴリーごとに活動がはじまりました。

シニアとU23は、4月は城崎・円山川で合宿しました。今年は1月の信州スキー合宿に続き、2月の小見川合宿、そして今回の城崎合宿と、戸田を離れての合宿を何回かしていますが、これはギザビエNSD(ナショナル・スポーツディレクター)の方針で、マンネリを防ぐとともに同一宿舎に寝泊まりすることで、チーム内コミュニケーションを良くし、チームスピリットの養成を狙っているようです。

5月に入ると戸田で長期合宿をはった後、5月26日~28日の「全日本軽量級選手権」にナショナルチームとして参戦し、仕上がり状況を見たいということです。(ナショナルチームは登録団体ではないので、実際は各所属団体の混成クルーとして出ることになります)

その結果を見て、日本代表としてのクルー編成を行い、6月以降はいよいよヨーロッパに遠征してワールドカップ、そして世界選手権に挑戦する、そういうスケジュールになっています。

各所属団体には、まったく新しいギザビエ方針をご理解いただき、全面的にご協力いただき深く感謝しております。「日本は強くなった!」という結果に必ず繋げる覚悟ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

なお、ご参考までに各カテゴリー別のナショナルチームの人数を書いておきます。

男子 シニア軽量級  A 6名 U23軽量級  A 7名
同    B 3名    
シニアオープンA 2名 U23オープンB 1名
女子 シニア軽量級  A 6名 U23軽量級  A 2名
    同     B 1名
シニアオープン 2名 U23オープンA 1名
    同     B 2名

(なおシニアとU23にダブっている選手が4名います。またこの他に継続評価中の選手が男女各1名います)

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U19(ジュニア)についても、昨年までとは全く違った強化方針がとられています。ひとことで言うと、これまでは、ややもすると世界での経験を積ませることを主目的に世界ジュニア選手権に派遣していましたが、今年からは「挑戦し、勝つことを目的に」派遣することを明確にしたのです。

まず3月末の選考レースで「日本代表候補」として男子6名、女子5名(うち2名は大学生)が選ばれました。

そして美浜での国内合宿に続き、4月24日から5月9日までフランス・エギュベレットに派遣、現地クルーとの合同練習なども行った上で、5月6~7日の国際レースに参戦するのです。(一部の選手はドイツのレースに参戦する)

こうした強化合宿、レースを経て、真に世界と戦えるレベルの選手を育成・選抜した上で日本代表クルーを決定し、8月にリトアニアで開催される世界ジュニアボート選手権大会に派遣するのです。

また、これとは別に、今年から始まった「JOCエリートアカデミー」事業に参加している2名と、「タレント育成A」の認定を受けている1名を、4月26日から5月9日まで「ドイツ国際ジュニアレガッタ」に参戦させます。

このように、U19-ジュニア時代から世界での合宿を増やしヨーロッパの同世代の強豪選手と戦う経験を積ませることが、将来の名選手に育つ糧になるに違いないと確信しています。

広く各位、各層からいただいている強化募金も主にはこの事業に使いたいのです。あらためて今後ともよろしくお願いいたします。

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コーチ体制の強化も選手強化と同様、喫緊の課題であることは、これまでも繰り返し申し上げてきましたが、このたびようやく女性コーチを迎えることができました。吉田理子(あやこ)さんです。

吉田さんは、現在県立青森西高校の教諭であり、ボート部顧問としても活躍してこられました。アトランタ(1996年)、シドニー(2000年)と2度のオリンピックに軽量級ダブルスカルで参加しており、その他ジュニア世界選手権、アジア大会などでも輝かしい成績を収めてきた女性トップアスリートです。

ご本人の決断はもとよりですが、日本ボート協会の強い要請に応えてくださった青森県、青森西高校その他関係者の皆様には、心よりお礼申し上げます。有望な女子選手が多数現れてきているなか、吉田さんの多様な経験で培われた指導力・人間力、さらには女性アスリートの立場に立った育成・指導に大いに期待しています。よろしくお願いします。

またJOCエリートアカデミーに2名のボート選手が選任されましたので、専任コーチを星遼さんにお願いしました。星さんはこれまで、タレント発掘委員会のスタッフとして有望な選手の発掘・育成に務めてきました。新制度エリートアカデミーの専任コーチとして、ぜひ立派に育て上げてくれることを期待しています。

現在のナショナルチームのコーチ体制は次の通りとなっております。

コーチ 主な役割
ギザビエ・ドルフマン
(NSD)
強化方針・戦略・トレーニング等の企画、コーチ統括、シニア担当ヘッドコーチ
大林 邦彦 U23担当ヘッドコーチ
桝田 宏 U19担当ヘッドコーチ
吉田 理子 女子担当専任コーチ(全カテゴリー対象)
星  遼 JOCエリートアカデミー専任コーチ

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4月15日(土)恒例の「平成29年度顧問参与会」を岸記念体育館で開催しました。

49名の方が出席され、協会からはまずわたしの挨拶に続いて、理事長、各委員長から最近の活動状況を詳しく報告しました。(具体的にはギザビエ体制のもとでの強化状況、海の森ボートコース建設状況、国際委員会の活動、強化募金のこと等)

5人の方から熱心なご意見・質問をいただいた後、1時間半ほど親しく懇親を図り、有意義な顧問参与会でした。

なおこの「岸記念体育館」は2020東京オリンピックを機に神宮外苑の方に移転新築されることになっています。日本漕艇協会の初代会長を務められた岸清一氏の名前が新しい会館に残るかどうか微妙なところのようで、記念にということで、庭に建つ岸さんの胸像前で全員の写真を撮りました。

現在の原宿にある岸記念体育館は前の東京オリンピック(1964年)を機に建てられたものです。それまでは、御茶ノ水駅のすぐ前にあって、小さな木造建築だったように記憶しています。日本体育協会の会長も務められた岸清一さんの寄附で建てられたものなので「岸記念」の名称が今日まで残っているのです。新しい会館にもこの名称を残してほしいですね。

以上