公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

日本ボート協会JARA

全国のオアズパーソンへの手紙(第24信)

2014年8月1日
日本ボート協会会長
大久保 尚武
会長写真

今年のはじめから日本ボート協会のホームページに、強化委員会が「強化委員会・日本代表チーム」という欄をもうけています。日本代表チームの活動を具体的にレポートする内容で、なかなか読みごたえのあるものですので、ぜひ一度HPを開いてみてください。

おおきく3つの部分にわかれていて、最初が「日本代表チーム」を紹介する欄です。何回かの選考レースを経て選ばれた日本代表選手たちが写真入りで紹介されていて、親しみがわきます。

2つめが「イベント別」の活動状況をレポートする欄で、日本が参戦する国際大会の詳しい遠征報告とか、強化合宿での練習内容などが記載されています。たとえば7月23日(水)からバレーゼ(イタリア)で開かれた「U-23世界選手権」のレポートをみると、なんと全部で17回のレポートが載っています。6月23日の第1信(大会前日までのトレーニングメニューなど)からはじまり7月28日の最終信(決勝結果報告)までで、そのうち11信が現地からのレポートです。これが面白い。ひとつひとつのレース経緯が、実況放送のように、スタートからゴールまでたくさんの写真入りでビビッドに描かれているので、選手の戦いぶりもよくわかるし、同時に世界の中で日本クルーが今どんなポジションにいるのかもわかります。

そして3つめが「掲載順」欄で、さまざまなニュースを日をおって掲載順に見られるようになっている欄です。

今月はこの「U23世界選手権」ともうひとつ、シニアの「ワールドカップ第3戦」がスイス・ルツエルンで開かれましたが、結果の詳細はホームページで見てください。大目標にむけた一歩ですが、「すぐには出来ない。一人では出来ない。今までの方法では出来ない」ことを腹に据えて、しっかりバックアップしていきましょう。

なお強化委員会からは、こうした日々の活動のおおもととなる今年度の「強化戦略プラン」が、1月7日付けの発信でホームページに掲載されていますので、これもぜひ読んでおいてください。

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第34回になる「全日本中学選手権競漕大会」が7月19日(土)20日(日)の2日間、長良川国際レガッタコースで開かれ、わたしも行ってきました。初日は雷で10レースが順延になり心配しましたが、2日目はさわやかな好コンディションにめぐまれ、ご父兄を中心に数百人にのぼる応援団が岸辺をうめ、テントやのぼり旗が立ちならんで、「中学選手権もさかんになったなあ」と感慨ひとしおでした。

今年の参加選手は、25都府県から208クルー、540人余にのぼります。残念ながらボート部をもつ中学校はかならずしも増えてはいないのですが、熱心な先生・コーチの皆さんの努力で、選手たちの技術・力量は間違いなく上がってきています。「あの選手をインターハイに出してみたいな」などという声が、役員席で聞かれるほどです。

ボート部をもつ中学校が増えないぶん、クラブチームがずいぶん増えてきて、今年は16チームになりました。これがみんな強くて、なんと6種目中3種目(M1X、W1X、M2X)でクラブチームが優勝です。父兄のみなさんのご理解とご協力をえて、クラブチームが今後もっと増えてくれたらな、と考えています。

たまたま同じ日程で、「第27回全国ボート場所在市町村協議会首長会議」いわゆる「ボートサミット」が愛西市の主催で開かれていて、これにも顔をだしてきました。この会は30市町村で構成されていますが、27市町村が出席され欠席はたったの3つ、しかも首長さんご本人の出席がなんと15市町村という充実ぶりです。こんな凄い会があるなどとは、他の競技団体では聞いたこともなく、ボートの恐るべき強みだとおもいます。この会を創られた鎧塚一さん(元日本ボート協会普及部長)にはあらためて感謝申しあげます。

ご出席の市町村長たちはどなたも、ボートというある意味地味なスポーツをこころから愛し、ボート競技を育てようと本気で考えてくださっている方ばかりです。ほんとうにありがたいことです。

この首長さんたちが、7月20日中学選手権の決勝レースを視察に長良川まで来てくれました。レースでみせた中学生たちの健闘、また応援団の熱気に強く印象づけられたようで、口ぐちに「うちの町でもこういう大会をやりたい。参考になりました。」と感想をのべていかれたのは、わたしにとっても実に嬉しいことでした。

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7月24日で2020年の東京オリンピック開幕までちょうど6年、という記事が各誌に載りました。あと6年はともかく、「どうしてこんな猛暑の時期に開かなくてはならないのか?」と、ちょっと腹立たしい思いをしながら流れる汗をぬぐいました。

ところで、これまでの日本のボートのオリンピックへの参加記録を調べてみました。暑さしのぎに読んでみてください。

第9回アムステルダム大会(1928年)が最初の参加で、男子のシングルスカルとかじ付きフォアの2種目でした。その後ロサンゼルスとベルリンの大会に参加、戦前はこの3回です。

戦後は第15回ヘルシンキ大会(1952年)にかじ付きフォアで参加して以来、第30回ロンドン大会(2012年)まで連続して(但し1980年のモスクワ大会は不参加)15回参加しています。都合18回参加してきたわけです。

女子の参加は第25回バルセロナ大会のかじ無しペアが最初でその後6回連続、軽量級は第26回アトランタ大会の男子ダブルスカル、男子かじ無しフォア、女子ダブルスカルの3種目(つまり軽量級の全種目)に参加して以来5回連続で出ています。なお、このアトランタ大会に武田大作選手はオープンのシングルスカルで参加しました。

ボートのオリンピアン(役員は除く選手だけ)は単純に足し算すると176人ですが、武田選手(5回)のように複数回出ている選手も多いので、実数はもう少し減ります。

成績で一番良かったのが、男子軽量級ダブルスカルのシドニー(武田大作、長谷等)とアテネ(浦和重、武田大作)での6位入賞であることはみなさんよくご存じのとおりです。

以上