公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

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マイク・タナー氏とニコラス・イー氏への感謝の会 報告書

2014年02月03日
国際委員会
マイク・タナー氏とニコラス・イー氏への感謝の会 報告書

2014-01-19
@味の素ナショナルトレーニングセンター報告
報告者:木村 稚夫(国際アドバイザー)

長年にわたり、FISA(世界連盟)のアジア担当の審判委員とARF(アジア連盟)の審判委員長を努められたマイク・タナー氏(香港)とニコラス・イー氏(シンガポール)が、昨年末をもって国際審判員の定年を迎えられた。彼らは日本の国際審判員の養成と指導に大変尽力され、ひいては日本のボート界の発展にも、多大な貢献をされた。東京五輪とパラリンが決定した今、国際化を急がねばならない日本のボート界である。今年5月に開催するアジアカップを手始めに、毎年国際レガッタを全国各地で開催し、競技力の向上と、運営組織の国際化を図らねばならない。そこでこの際、彼らに来日いただき、2020年までの取り組みのアドバイスと、東京オリンピックの会場づくりのアドバイスを受けることとし、1月18日~20日の日程で急遽来日してもらった。なお、タナー氏は2004年からは、FISAのイベント委員長に選ばれていたので世界各地のコースやレガッタの運営組織作りにも精通している。

今回は忙しい日程の中、19日の午前は「戸田コース」、20日は新しい「海の森コース」も視察してもらったが、メインは大久保会長にもご出席いただいた、19日16時からの両氏による講演会「LOOKING BACK & LOOKING FORWARD…30YEARS Asian Rowing, World Rowing & Umpiring」(副題:2020 東京五輪が決定した日本に対してFISAとARFが期待すること) と、18時からの懇親パーティーであった。特に懇親パーティーには、日本ボート関係者34名が出席し(現役審判:10、OB/OG審判:5、JARA役員・事務局17、パラローイング2、合計34名)、十分に彼らに対して感謝の意を表すことができたと思う。

講演会での彼らの結びは;①2019の世界ジュニア選手権と2020五輪・パラリンの成功を期待する、 ②そして日本がメダル(特に金メダル)をとって欲しい、③そしてアジアの連盟組織への寄与、④特にアジアの選手たちの世界・オリンピックレベルへの強化に貢献、 することが肝要だと訴えた。

そしてニクラス・イー氏は、21世紀に入ってからのアジアボート界での日本の活動には、苦言を申したい…もっとアジア志向で前向きに対処すべき…ことを要望した。これはタナー氏も同感であることが態度で示された。32加盟国に拡大したARFの運営幹部役員としての活動、ARFイベントへの選手派遣の増大と、14名にもなった国際審判員の積極参加&2020年を見据えた更なる増員に期待することが伝えられた。両氏を囲んでの国際審判員だけの懇親会では、世界におけるアジアについて、特に軽量級についての課題が語られた。アジア連盟にとって、軽量級種目の新興が肝要である。オリンピック種目に軽量級導入を主導したアジアは、一層結束して軽量級種目を増やす工作をすべきである。例えば現状では女子は2xだけであり、1xを追加すべきとの意見を結集すべきであろう。ボート競技の選手数の総枠550名を超えない範囲で、種目の見直しで軽量級の選手数を増やす提案を、アジアから展開すべきであろう。さらにアジアのイベントとして、アジア大学選手権やインドアエルゴ選手権などの拡大に注力すべきであろう。アジアの興隆には、日本の果たす役割は大きい。期待している由の発言が繰り返された。

日本として、ARFとFISA対策が2020東京五輪・パラリンに向けて極めて重要なことを再認識した。

以上 (木村)