公益社団法人日本ボート協会

Japan Rowing Association

インフォメーションINFORMATION

2002年に向けたナショナルチームの活動計画について

平成13年10月17日
強化委員会
強化委員長 飯塚 淳

日頃は、ナショナルチームの活動に深いご理解と多大なるご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 2001年は2004年アテネオリンピックを目標ととらえたスタートの年でしたが、アテネを視野に入れるという観点より、 スカル・スイープを1本化した強化とジュニアからシニアB、シニアへ続く一貫指導の確立を目指して取り組んでまいりました。

お陰様にて、シニア男子スカル種目については、8月の世界選手権においてLM2Xがシドニーオリンピックに続いて決勝進出を果たし、 順位もオリンピック時より一つ上げて5位に入賞した他、LM4Xについても昨年の優勝に引き続き3位となり、 連続してメダルを獲得することが出来ました。一方、LM4-及び女子(LW2X、LW4X)につきましては、 当初目指していた成績には届かず課題も残しました。

シニアBカテゴリー(23歳未満)につきましては、このクラスで初のナショナルチームを編成し、 The Nations Cup に派遣すると共に、ジュニアについてもジュニア世界選手権とアジアジュニア選手権に派遣致しました。 これらの大会への参加を通じて、将来有望な若手選手が国際レースの経験を積む機会を得ることができ、 将来のシニアチーム入りを目指した競技活動についての強い動機付けがなされたものと思われます。同時に、 これらの大会参加およびその事前合宿等を通じて、大林ヘッドコーチを中心としたジュニア期から シニアチームに到るまでの一貫指導体制も整いつつあるものと考えております。

さて、日本ボート協会ではアテネオリンピックでのメダル獲得を、強化における最大の目標として取り組んでおりますが、 アテネを視野に入れた活動の2年目となる2002年の強化活動の基本的な考え方につき下記1に、 活動計画に付き下記2の通りご報告申し上げます。下記3には、今秋より実施のナショナルチームトライアルレースの 概要に付きお知らせいたします。

意欲ある多くの選手がナショナルチーム入りを目指して活動されることを期待申し上げると共に、 選手所属の団体各位におかれましては、引き続き従前以上のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

1、 2002ナショナルチーム活動の基本的な考え方
(1) シニアチーム
軽量3種目につき、それぞれ次のような方針で臨むこととする。
(参考:表1-1 国際レース予定、表1-2 97-01年までの主なシニア戦績)
・LM2X
目標:世界選手権決勝レベルを維持し一つでも上位を目指す
シニアのトップクルーと位置付け、厳しい競い合いを通じて更なるワールドランキングの向上を図ってゆく。
・LM4-
目標:世界選手権でFinal B に必ず入る
トップクルーに続くクルーと位置付け、スカル・スイープ1本化した強化の中でLM4-として最強のクルーを編成する。 2003年ミラノの世界選手権で与えられるオリンピック参加枠は、10クルー(Final Bで4位以内)程度と予想されるため、 2002年の段階ではFinal B進出(12位以内)を何としても達成する必要がある。
男子については、2002年のナショナルチーム選手枠を10名とし、上記2クルーに加え、 選手同士の厳しい競い合いを実現することとLM2XとLM4-の補漕としての位置付けを持たせた3番目のクルーとして、 LM4Xを編成する。
・LW2X
目標:世界選手権でFinal B に必ず入る
2003年ミラノの世界選手権で与えられるオリンピック参加枠は、9クルー(Final Bで3位以内)程度と予想されるため、2002年の段階では最低限Final B進出(12位以内)を果たしていないと、2003年に参加枠を獲得することは現実的に困難である。
この観点より2002年はトップのLW2Xに集中した強化を図ることとする。 なお、2001年までの実績では残念ながらLW2Xについては十分な成果が得られていないので、2002年は世界選手権前のワールドカップの結果等により、目標達成が困難であると判断される場合には、目標を2004年アテネから2008年北京に切り換え、長期的な観点で強化計画を組み直すこととする。
(2) シニアB(23歳未満)チーム
シニア軽量級で将来の活躍が期待出来る選手には、なるべく早い段階から数多くの国際レースの経験を積ませるという観点より、 2002年は軽量級でU23ナショナルチームを編成し、The Nations Cup およびワールドカップ第4戦の両方に参加することとしたい。 派遣種目(予算状況により流動的な要素もありえる)は、現時点では
The Nations Cup LM4X LM4- LW2X
ワールドカップ4戦 LM8+ LW2X
を計画している。
選手選考は、シングルスカルによる選考会にて行う。ワールドカップ派遣予定のLM8+のCOXは、 2002年の全日本選手権M8+の上位クルーより日本代表COXとしての権利を与える(優勝クルーのCOXが最優先され、 当人が辞退した場合2位のCOXを代表とする、以下同様)。
(3) ジュニア(19歳未満)チーム
シニアB同様、将来のシニア軽量級の活躍が期待出来る選手にはなるべく早い段階から国際レースの経験を積ませることとし、 FISA世界ジュニア選手権およびアジアジュニア選手権に引き続き選手を派遣して行く。 アジアジュニア選手権については2001年より、年齢的に次年度の世界ジュニア選手権への参加が可能な 選手を対象(高校2年生主体)としている。
派遣種目(予算状況により流動的な要素もありえる)は
FISA世界ジュニア JM4X JW4X
アジアジュニア JM4X JW4X
を基本として、世界ジュニアについては本年末のジュニア天竜合宿での参加選手のパフォーマンスにより 派遣種目を確定して行くこととする。
なお、選手選考は、シングルスカルによる選考会にて行う。
ジュニアナショナルチームの強化合宿については、可能な限りシニアナショナルチームとの合同合宿として、 直接大林ヘッドコーチの指導を受けられるようにし、指導方針の徹底を図ると共に、 シニアトップ選手との交流の機会を設けることにより、ジュニア選手への動機付けの機会として行きたい。
なお、ジュニア選手であってもシニアBあるいはシニア選手として活躍ができる選手については、 積極的に上位のカテゴリーでの活動を推し進めて行くこととする。
(4) 釜山アジア大会に向けての取り組み方針
現時点の情報では、ボート競技はアジア大会正式種目として次の13種目について行われる。
男子: M1X M2- M2X M4- M8+ LM1X LM2X
女子: W1X W2 W2X W4- LW1X LW2X
同大会へはJOC派遣となるため、可能な派遣人数等現時点では不明な点があるが、方針としては下記の通りとしたい。
  • 軽量級種目については世界選手権派遣選手をそのまま代表とする。
  • オープンウェイト種目については、本年秋以降のトライアルレースおよび強化選考合宿を通じてオープンウェイト選手のパフォーマンスを評価し、軽量級選手よりも明らかに速ければオープンウェイト選手の派遣を検討する。そうでない場合は世界選手権派遣の軽量級選手がオープンウェイト種目(M4-、M1X、M2X)に参加する。
  • M8+についてはダブルエントリーで対応する。但し、COXは2002年の全日本選手権M8+の上位クルーより日本代表COXとしての権利を与える(優勝クルーのCOXが最優先され、当人が辞退した場合2位のCOXを代表とする、以下同様)。
  • M2-、W1X、W2X についてはJOC派遣枠が与えられれば参加する(選考会実施)。
  • W2-およびW4-については派遣対象としない。
2、 2002ナショナルチーム活動計画(予定)

シニア、シニアBおよびジュニア各カテゴリーの活動計画は、各々表2-1、表2-2および表2-3に示す通りであり 主要なスケジュールを以下に示す。

(1) シニア

11/16(金) ナショナルチームトライアルレース 第1回(戸田)
11/17(土) ナショナルチームトライアルレース 第2回(瀬田)
12/15(土) ナショナルチームトライアルレース 第3回(瀬田)
12/22(土) ナショナルチームトライアルレース 第4回(戸田)
02/ 1/13(日)-18(金) 強化選考合宿その1(戸田)
1/20(日)-25(金) 強化選考合宿その1(瀬田)
2/10(日)-15(金) 強化選考合宿その2(戸田)
3/10(日)-22(金) 強化選考合宿その3(戸田)
4/8(月)-19(金) 強化合宿その1(戸田)
5/4(土)-12(日) ワールドカップ1戦(Princeton USA)参加
6/3(月)-7(金) 強化合宿その2(戸田)
7/15(月)-8/16(金) 強化合宿その3(国内予定)
8/23(金)-9/9(月) 海外強化合宿(Varese Italy)
9/10(水)-22(日) 世界選手権(Sevilla Spain)
9/25(水)-10/3(木) アジア大会(釜山 韓国)

(2) シニアB

11/16(金) ナショナルチームトライアルレース 第1回(戸田)
11/17(土) ナショナルチームトライアルレース 第2回(瀬田)
12/15(土) ナショナルチームトライアルレース 第3回(瀬田)
12/22(土) ナショナルチームトライアルレース 第4回(戸田)
02/ 1/13(日)-18(金) 強化合宿その1(戸田)シニアと合同 シニアB枠数名
1/20(日)-25(金) 強化合宿その1(瀬田)シニアと合同 シニアB枠数名
2/10(日)-15(金) 強化合宿その2(戸田)シニアと合同 シニアB枠数名
3/10(日)-22(金) 強化合宿その3(戸田)シニアと合同 シニアB枠数名
6/14(金)-16(日) The Nations Cup選考会
6/17(月)-21(金) U23強化合宿(戸田)
7/15(月)-20(金) U23強化合宿(戸田)
7/21(日)-28(日) The Nations Cup(Genova Italy)
7/29(月)-8/4(日) ワールドカップ4戦(Munich Germany)

(3) ジュニア

11/16(金) ナショナルチームトライアルレース 第1回(戸田)
11/17(土) ナショナルチームトライアルレース 第2回(瀬田)
12/15(土) ナショナルチームトライアルレース 第3回(瀬田)
12/20(木)-24(月) ジュニア強化合宿(天竜)
3/25(月)-28(木) ジュニア強化合宿(天竜)
6/14(金)-16(日) ジュニア世界選手権・アジアジュニア選手権選考会(戸田)
6/17(月)-20(木) ジュニアナショナルチーム強化合宿(戸田)
7/10(水)-18(木) ジュニアナショナルチーム強化合宿(国内)
7/23(火)-8/10(土) ジュニア世界選手権(Trakai Lituania)
9/4(水)-11(水) アジアジュニア選手権(台湾)
3、 ナショナルチームトライアルレースについて

シニア日本代表選手の選考方法については、既にJARA発第13-36号(平成13年7月18日)にて通知の通り、 2002年に向けては従来の選考会を経由する方法から強化選考合宿を通じて行うこととなった。その前提として、 なるべく多くの選手がナショナルチームに挑戦する機会を得られるようにする必要があり、 本年より2002年からの強化選考合宿への参加選手を選考するためのナショナルチームトライアルレース(種目:1X、距離:9000m)を 戸田と瀬田で4回に渡り開催することとする。ナショナルチーム入りを目指す選手はこれらのトライアルレースに 最低1回は参加することが必要である。また、アジア大会を目指すオープンウェイトの選手についても、 これらのトライアルの結果によりオープンウェイト種目の可能性を評価して行くので参加することが必要である。

4回のトライアルレース終了後、1月の強化選考合宿参加資格選手を男子30名、女子10名程度決定する。 指定された選手は1月以降の強化選考合宿への参加経費についてJARAの補助対象選手となる。 指定にもれた選手も1月~3月の合宿については再挑戦を受け入れる(費用は全額自己負担となる)。

多くの選手がナショナルチームへ挑戦する機会を得る、という観点からはトライアルレースはなるべく 多くの場所で実施することが望まれるが、本年は実施の最初の年なので東西2ヶ所(戸田と瀬田)での開催とし、 瀬田のトライアルレースは国内のロングレースとして長年の実績のあるHead of the SETA(瀬田漕艇クラブ主催)の1Xを ナショナルチーム・トライアルレースに指定する形で実施する。方向としては、各地で秋口にロングレースが実施され、 それを強化委員会がナショナルチーム・トライアルレースとして指定する、という形が望ましいと考えている。 2002年秋以降ロングレースを主催しそのナショナルチーム・トライアルレース指定を希望される実施主体においては、 是非強化委員会に相談頂くことを希望する次第である。

2002年のナショナルチーム活動等についてのお問合せについて

※2002年のナショナルチーム活動等についてのお問合せは、日本ボート協会事務局(担当:加藤)宛文書にてお願い致します。

E-mail:
jara@japan-sports.or.jp
FAX:
03-3481-2327