第36回全国インドアローイング東海ブロックA大会


2024(令和6)年1月28日(日)に愛知県日進市の株式会社デンソー先端技術研究所内の大ホールで 「第36回全国インドアローイング東海ブロックA大会」を開催しました。 オンラインの併催で、小学生からマスターズ世代まではもちろん、新たに「会社レガッタパーソンの部」も設け、 計125人が出場してくださいました(主管:愛知県ボート協会)。

第36回全国インドアローイング東海ブロックA大会
レース風景(男子)

4年ぶりの対面開催ですが新しい事に挑戦しました。 大会運営マニュアルの行間にあるノウハウが忘れられ、準備は手探りが多かったのですが、お手本イメージがあったので進む方向は明確でした。 そのお手本とは2019(令和元)年度と2023(令和5)年度の全国マシンローイング(全国インドアローイング)近畿ブロックA大会で感じた「大会を育てる姿勢」と 「アスリートセンタードの追求」でした。 4年前と比べ良い方向へ変わった点は、情報を発信・受信するハード・ソフトの充実。 IT機器の操作やそれらを利用したプレゼンテーションに慣れた者が増え、選手の表現を観客へ伝えやすくなり、会場の盛り上げに効果を発揮しました。

手本の「大会を育てる姿勢」と「アスリートセンタードの追求」を実現するために3つ意識しました。 まず競技スケジュールを意識しました。大会日程を良い個人記録が出やすいようにお正月休みから少し間を開ける、 国内トップ選手が出場しやすいように日本代表選考レース出場に必要なエルゴ実施スケジュールとも連携させる、 中学生の学校行事情報をあらかじめ教えてもらいスタート時間を調整するなどを意識しました。

第36回全国インドアローイング東海ブロックA大会
ミニ講演(‎杭州アジア大会2022 W8+準優勝 デンソー中条彩香(左)・榊原春奈(右) 両選手)

次に観客へ伝える事を意識しました。可能な限り選手と観客を近づける、観客が滞在する場所を設ける、観客へ情報が届くようにする、 会場内に声やBGMなどいつも音を流す、会場内空調をこまめに調整する、レースをプレゼンテーションに見立てて照明を調整する、 株式会社デンソー様からビデオカメラ計4台・大型スクリーンとプロジェクター・80インチ液晶モニター・スイッチャー ・控室やスタッフエリアへ会場内情報をZoom中継する モニターなどを貸していただき可能な限り多くの視聴点を作りました。

第36回全国インドアローイング東海ブロックA大会
ミニ講演(第101回全日本ローイング選手権M8+優勝トヨタ紡織Cox 藤原貴裕選手)

そして3つめは会場の人の導線を意識しました。エルゴをレース用・アップ用・ダウン用にグループ化し、 それぞれ14台・計42台、インタビューゾーンの設置、観客席をレースエリアとウオーミングアップエリアと隣接させる、 スタッフエリアへリアルタイムで情報を流し、会場スタッフ全員が同じ情報を持つなどを整え、 人の密度を高めつつ人の流れを作るようにしてどこからでも選手が見えるようにしました。

こうする事で「アスリートセンタード」を表現し、観客から見て選手・競技をわかりやすくしました。 開催中に運営側で意識したことは、観客へ競技の奥行き情報を提供し続ける事、観客にも参加感覚を抱いてもらう事でした。 観客が競技情報を多く持つほど競技と選手への関心が高まり応援が大きくなるからです。 応援が大きくなると選手の頑張りが強くなりパフォーマンスが向上します。 大会やレースなどの競技会が、競技の強化と普及の中心にある事を改めて実感しました。 来年は今年以上に、選手に力湧き・観客が楽しめ・スタッフが開催を誇りに思える、そんなイベントに育てられたらと思っています。

第36回全国インドアローイング東海ブロックA大会
インタビュー(仏Suzannah Duncan選手)

4年ぶり開催で新しい取り組みができたのは、愛知県に素晴らしいローイング文化があったからこそだと感じています。 協会スタッフの協力意識、中部学生ボート連盟メンバーたちのボランティア意識、企業の社会貢献意識、東郷町のボートの街意識など、 こういった意識が根付いているから実現できたと感じています。ご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。

そして最後までお読みくださった方々、こんな素晴らしいローイング文化のある愛知へ漕艇をしにぜひお越しください。 2024(令和6)年度は4月19日(金)~21日(日)の第69回中日本レガッタから始まります!
【デンソーボート部監督・インドアローイング協力スタッフ 三本 和明】

大会結果は次Web参照。
男子:https://www.jara.or.jp/mr/current/2023A_tokai_M.html
女子:https://www.jara.or.jp/mr/current/2023A_tokai_F.html