2017(平成29)年9月4日(月)~8日(金)の5日間、タイ・パタヤのKlong Phai水上スポーツトレーニングセンター(Klong Phai Water Sport Training Centre)で「2017アジアボート選手権」が開催されました(主催:アジアボート連盟(ARF))。
18回目を迎えた今回は韓国やインドなど22の国と地域から選手325人と役員82人が参加しました。
日本からはDENSO、NTT東日本、中部電力、東レ滋賀、戸田中央総合病院RC、トヨタ自動車、明治安田生命、立命館大の8団体と日本パラローイング協会から22人の選手が7種目に臨みました。
大会詳細は次Web参照。
http://www.arfrowing.org/events_details/?view=2523
レース動画はyoutube参照。
https://youtu.be/0SMvfcHpfZM
派遣概要は次Web参照。
http://www.jara.or.jp/kyoka/current/asian2017.html
https://jpra-net.jimdo.com/2017/07/20/%E7%99%BA%E4%BF%A1/
JPN FinalB 2位(総合8位)6:37.78/岩本拓馬(中部電力所属、福井県立若狭高)
【岩本】今回、アジア選手権で、軽量級シングルスカルで出場させていただきました。いかなる、気候や環境でも漕げるメンタル、テクニックが必要だと強く実感しました。予選、敗者復活戦では全く自分の漕ぎができず、苦しみましたが、B決勝では良いリズムで今持っている力を出し切ることが出来ました。もっともっと強くなり、世界と戦える選手になり、またこの代表の場に帰ってきたいと強く感じました。良い経験ができました。現地で、サポートしていただいたスタッフの皆様、日本から応援いただいた、すべての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
JPN FinalA 4位(総合4位)6:27.36/青松載剛(東レ滋賀所属、早稲田大-京都府立東舞鶴高)・三浦友之(NTT東日本所属、仙台大-佐賀県立唐津西高)
【整調:青松】今回はLM2xでの出漕でした。一人では感じることができない艇速を出せますが、一人増え二人になっただけで、難易度が格段に上がり速さに対応するので精一杯でした。しかし、その分、学ぶものも多く、今後の課題も見つかりました。また、今大会では出艇後のスタート30分前に予選通過数が急に変更になったり、レース中も審判艇が速度を落とさず移動するなど今までにない経験をしましたが、そういった中でもぶれずに速さを出し続けられるよう様々な場面を想定して練習したい。
【バウ:三浦】たくさんの応援とサポートをありがとうございます。お陰様で良い環境下でレースに臨むことが出来ました。決勝のレースではワールドカップ第3戦と同様に前半から積極的にスピードを出す事が出来、1500mまではトップに迫る展開だったのですが、ラスト・スパートに入ったところで思うように艇を進める事が出来ず、大きく水をあけられてしまいました。メダルを獲得出来なかった事は大変悔しいです。この悔しさをバネにさらにパワー・アップして、また挑戦したいと思います。ありがとうございました。
JPN FinalA 4位(総合4位)7:00.17/栗原誠和(明治安田生命所属、日本大-群馬県立館林高)
【栗原】タイ、パタヤでのアジア選手権にシングルスカルで参戦させていただきました。オープン選手は今まで国際試合に参戦することは難しく、今回はとても有意義なものとなりました。派遣を決定してくださった関係者の皆さまとスタッフの皆さまに深く、感謝しております。本当にありがとうございました。
JPN FinalA 3位(総合3位)5:46.13/高野勇太(NTT東日本所属、中央大-愛知県立猿投農林高)・勝又晋一(戸田中央総合病院RC所属、立教大)・田立健太(戸田中央総合病院RC所属、中央大-埼玉県立八潮高)・赤木貴昭(NTT東日本所属、東北大-青森県立青森高)・大塚圭宏(NTT東日本所属、日本大-静岡県立沼津工業高)
【整調:高野】シート・チェンジや高温多湿な気候等で、レース環境に多々変更があった中で、クルーとして良くまとまれた。また、レースでは中盤の強さを武器に、他国と勝負することができた。個人的には、他国の選手を目の前にして、更に上のレベルで戦えるフィジカルをつけたいと感じました。この度は、お世話になりました関係者の方々からのお力添え、たくさんのご声援ありがとうございました。
【7番:勝又】今回の遠征を通して感じたのは、フィジカルの差、特に4-で対戦した中国との体格の違いには驚きました。またインドネシアチームの雰囲気の素晴らしさには感激しました。笑顔でrowingを楽しみ、国歌を全力で歌い、相手と笑顔で健闘をたたえ合う。オアズマンとしての理想を見た気がしました。今後の代表活動では、憧れられるチームを目指し、自覚をもって頑張っていきたいと思います。たくさんのサポートありがとうございました。
【6番:田立】今回のアジア選手権に向けての重量級スイープは5月の小艇TT(M2-)と6月のCOX選考で選出され、8月よりクルーでの練習を開始しました。所属団体によって日々の取り組みや各選手が積み上げてきたパフォーマンス、経験などに色々な差異がある中、短期間でM8+とM4-のクルーを作ることにフォーカスし、レースを迎えました。結果的にはM8+が2位、M4-が3位となり、それぞれ目標としていた優勝には一歩届きませんでした。 以下、2009年から日本代表チームに所属していた者として個人的な意見や所感を述べます。
今はかつてのような中国一強の時代ではなく、新興国の強化・普及が着々と進んでいる印象を強く受けました。今回派遣されたメンバーは世界選手権代表メンバーではありませんが、各クルーを日本のトップ選手で編成した。が、パラローイング以外の種目では金メダルを獲得できなかったことを重く受けとめています。
その反面、今回の重量級スイープではポジティブな面もありました。現地入りしてからアクシデントが続きましたが、2種目でメダルを獲得、レースでの記録を2000mのタイムに単純換算しても、急造クルーであった日本の重量級スイープに可能性を感じられる大会になったのではないでしょうか。五輪競技としての日本のROWINGの将来を考えるならば、重量級カテゴリーの強化は必要不可欠であり、中長期ビジョンを明確にした上で早急かつ永続的に実行できないか。当然、世界との差は歴然としており、すぐに差を埋められるほど安易なものではないですが、世界に挑戦する前に、まずはアジア選手権にエントリーするすべての種目が優勝することを目指すことこそ、日本の重量級カテゴリーを再活性化し、世界を目指す上で重要なステップになり得ると感じました。
最後に、今シーズンから所属団体内で立場が変わったにも関わらず、今回のアジア選手権に派遣していただけたことは私のROWINGキャリアに大きな影響を及ぼしました。また、日本チームの中では最年長でしたが、スポーツの素晴らしさやこの競技の魅力に改めて気付かされたことが多々ありました。サポートしていただいたすべての関係者や、共に闘い抜いたクルーに深く感謝申し上げます。
【5番:大塚】今回のアジア大会では、私個人として体調不良により4-決勝を棄権することになってしまい、苦い経験をしました。トレーナー、スタッフや日本から応援に駆け付けてくれた方々の支えもあり、8+決勝には出場することができましたが、結果は2位で優勝したインドネシアにあと一歩という悔やまれる結果となりました。
エイトの表彰式の時、笑顔で迎えてくれた日本チームのスタッフ、日本から応援に駆け付けてくれた方々を見て、応援やサポートの有難さを改めて感じる共に、もっと頑張ろう、と思いました。悔しい結果でしたが日本チーム一丸となって獲得できた重みのある銀メダルでした。
今回の遠征でサポートしてくださった日本チームのスタッフの皆様、エイトメンバー、そして応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【4番:中溝】今回のアジア選手権では事前合宿を含め、3週間弱の期間、練習ができました。特に岩手県花巻市の田勢湖漕艇場での練習は非常に良い環境でできたと思います。穏やかな水面に広い練習水域、気温も涼しいぐらいで、真夏が嘘のような環境での合宿はチーム全体のレベルアップに繋がったと思います。タイでのレースは炎天下の中で行われ、早朝の練習時間でも汗が吹き出るほどでした。また、ホテルから会場までバスで1時間かかり、身体への負担も普段よりあったと思います。それでもしっかりとレースで漕げたのはスタッフやマネジャーたちのアシストがあったからだと思います。水の補給や、道具の運搬、食事の手配、ビデオ撮影等々、非常に感謝しております。
エイトの決勝レースの内容は、スタートで出遅れはしたものの、1000m付近では完全に追いつき、中国を抜いてインドネシアとのスパート勝負まで持ち込めました。結果は準優勝と、惜しくも優勝を逃してしまいましたが、それぞれ手応えのあるレースが出来たのではないかと思っています。
今回のアジア選手権では学ぶことが多くあり、レースだけでなく、レース前の準備や、不測の事態への対応など、考えるべきことが多くありました。自分自身、課題が多くあると思います。しかし、その課題を解決していけば必ず勝利に近づけるという確信も感じました。今回のアジア選手権を忘れずに頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
【3番:赤木】レース以外について:タイの食事や衛生、気候等の環境については自分の想定内であり、万全にコンディションを整えることができた。苦労した若い選手も多く見られたが、今後の経験にして頂きたい。
レースについて:コースの距離等アクシデントが多々あったが、スタッフがチーム・マネジャー・ミーティングできちんと懸念事項を確認し、選手へ共有して頂いたことでレースに集中できた。この場で感謝申し上げます。
戸田での自主合宿、田瀬湖合宿を経てクルーとして良いスピードも出た。プロセスは充実し満足しているが、センター・ポールに日の丸を掲げられなかった事が非常に心残りである。またレースや大林コーチとの対話を通して本能で漕ぐ大切さや、ドライブの加速の概念を会得したことが今後自分の財産になると信じている。
今後について:たびたび言われていることだがアジア、世界で戦う上で日本選手はやはりフィジカルが限定要因になっていると改めて感じる。当然ボートはフィジカルだけでは語れない。しかし物理法則を覆す魔法のテクニックなど存在しないことも同時に認めなくてはならない。大変な道のりではあるが、エイトでの挑戦を今後も続けたいと感じたアジア選手権となった。また挑戦に理解を示しボートの活動を支えて頂ける職場の皆様、有形無形の影響を与えてくれるチーム・メイトやライバルたちにこの場で感謝申し上げます。
【2番:林】今回の準優勝は納得がいく結果でしたが、まだクルーとして伸びしろが感じられた事や、個人的にもまだまだ成長出来ると感じることができた試合でした。また来年も代表になってリベンジしたいです。アジアで優勝しないと世界でも勝っていけないと、強く思いました。自主合宿から始まり、岩手合宿、タイへの遠征と、たくさんの方々に支えられこの活動が出来たことにとても感謝しています。 厳しく、楽しい合宿、レースでした。
【バウ:清水】現時点でのアジアにおける、日本の位置を五感で感じることが出来た。対世界に向けて、若干光の見えた種目、まだまだ先が遠い種目があったように感じた。今後、選手個人の能力向上はさることながら、環境変化への迅速な対応、ユニフォミティ・組織力の向上が必要だと感じた。一朝一夕で向上出来るものではないため、熟考に熟考を重ねる必要がある。最後に今大会におきまして、チームリーダーの澁谷様をはじめ、コーチ・トレーナー・スタッフ・選手・大会運営委員の皆様に深く感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
【COX:立田】海外クルーやCOXとの駆け引きは国内レースでは味わえないものでした。結果は準優勝でしたが、自分の力次第で勝つことも出来たレースだと思います。この経験を活かし、クルーを勝たせられるCOXを目指して国内活動を頑張ります。
最後に今回の遠征に関して、ナショナルチーム・スタッフの皆さまをはじめ、応援してくださった方々には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
JPN FinalA 6位(総合6位)7:37.81/榊原春奈(トヨタ自動車所属、NZオタゴ大-早稲田大-愛知県立旭丘高)
【榊原】今回の遠征はワールドカップ第3戦前の肋骨のケガからの復帰戦でした。岩手合宿は恵まれたコンディションと宿泊施設で普段の合宿より少ストレスで終えることができました。長くリハビリメニューをしたため身体のキレが戻るのに時間がかかりましたが、決勝は自分にワクワクして漕ぐことができました。結果は奮わなかったので、もっと強くなって日本のオープンを盛り上げられるよう頑張ります。
JPN FinalA 4位(総合4位)7:03.68/中条彩香(DENSO所属、三重県立津商業高)・高野晃帆(立命館大所属、大分県立日田三隈高)
【整調:中条】アジア選手権の結果は4位でした。今回はなんとしてもメダルを取りたかったので、メダルに届かなかった事はとても悔しいです。結果が出せなかった要因を追求し分析し、自分の課題として克服して次に繋げたいと思います。大会をサポート、応援をして頂いた皆様、本当にありがとうございました!
【バウ:高野】この大会を通して技術的な課題や精神的な課題を見つけることや、練習をすることができました。短期間でクルーのスピードを上げていくことは難しかったですが、指導されたことを中心に幾つか改善することはできました。しかし、まだまだその技術が身についた訳ではないので、もっと練習を重ねていくべきだと感じました。また、この大会にはインカレに出場せずに参加しました。この機会を与えて頂けたことに感謝し、応援してくださった多くの方にもっと良い結果で恩返しができるようこれからも頑張ります。
今回の遠征はワールドカップ第3戦前の肋骨のケガからの復帰戦でした。岩手合宿は恵まれたコンディションと宿泊施設で普段の合宿より少ストレスで終えることができました。長くリハビリメニューをしたため身体のキレが戻るのに時間がかかりましたが、決勝は自分にワクワクして漕ぐことができました。結果は奮わなかったので、もっと強くなって日本のオープンを盛り上げられるよう頑張ります。
【大竹】長い様で短い2000mでした!1000mのレースではスタートをレート45、イーブンペースをレート37,8で漕いで最後まで行くという感じですが、2000mではスタートをレート42,3で入り、イーブンは35,6で漕いで最後また上げるというペースを意識しました。
また本日のレースは前日からの足の痛みとの戦いでもありました。たくさんのご声援をありがとうございました。
アジアという舞台では選手は「勝たなければならない」という非常に大きなプレッシャーを感じます。選手の皆さんはプレッシャーに立ち向かい、勇敢に戦ってくれました。来年以降、世界と戦うであろう将来有望な選手たちと一緒に行動できたことを光栄に思います。また、各チームにとってかけがえのない戦力をシーズンの大切な時期に輩出していただいた所属団体の皆様に心から感謝いたします。
今回は選手だけでなく、中部電力・高井良幸コーチに岩手県花巻市の田瀬湖漕艇場での事前合宿から帯同いただき、ナショナルチームを支援していただきました。高井コーチ並びに中部電力様に深く感謝いたします。さらに、支援スタッフとして東京外国語大OGの朝倉桃子さんに帯同いただきました。チーム・マネージャー・ミーティングでの堂々としたコメントに感服いたしました。全チーム揃う場であれほどしっかりとした意見を述べた日本人はさほど多くないでしょう。
本大会は、日本ボート協会にとって、新しいステップを踏み出せた大会であったと思っております。数年前からパラ競技との融合を希望して参りましたが、今大会で初めてパラの選手・スタッフの皆様と一緒に戦うことができました。今後、さらに融合が進むことを期待しております。
今後とも様々な方面からご支援をいただけるよう努力してまいります。よろしくお願いいたします。
今回のアジア選手権は、パラローイングの距離が1000mから2000mになって初めて日本パラチームが参加する大会でした。そのため、結果を求める事はもちろんのこと、「2000mのレース」を経験するということも大きな目標としていました。距離改定はパラの選手にとって本当に大きな変化です。それは選手だけでなくコーチである私にとっても同じであったため、お互いに今回の遠征は「いっぱい失敗して次につなげられる大会にしよう」と国内および現地での準備を進めました。
そんな中で、今回出場したPR-1女子シングルスカルで金メダルを獲得できた事は本当に良かったと思います。また、今回は「取り組んできたトレーニングの成果を確認できたこと」、「現地におけるコンディション調整が良い形で進められたこと」も大きな収穫であったと感じています。
一方、2000mのレース内容は改善するべき点が多かったため、これからのトレーニングに対する取り組み方を考える良いきっかけとなりました。また、今回は健常者チームと現地で共に活動させていただく時間もあり、我々にとって足りない部分を確認する良い機会にもなりました。
総じて今回は本当に貴重な経験をたくさんできた遠征となり、次に繋げることができるものとなったと感じております。これもいつも応援してくださる皆さまがいてくださったからだと感謝しております。本当にありがとうございました。 これからもパラチームがさらに飛躍できるよう、精一杯努力していきますので、今後ともご声援をよろしくお願いいたします。
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日本ボート協会派遣チーム
チームリーダー・澁谷顕一、コーチ・大林邦彦、トレーナー・部谷祐紀、サポートスタッフ・高井良幸、スタッフ・朝倉桃子、 学生スタッフ・伊藤康紀(上智大)