2016(平成28)年7月26日(火)にスポーツ庁で「スポーツ審判員に対する長官奨励」の授与式が行われました。 これは世界的なスポーツ競技会で活躍する審判員へ贈られる「スポーツ審判員にかかるスポーツ庁長官奨励」という新しい制度です。
鈴木長官を囲んで。隈元審判員は上段中央
今回はさまざまな競技の国際審判員246人が対象でした。
ボート競技から選ばれたのは、東乙比古氏(北海道)、岩尾弘敏氏(北海道)、隈元幸治氏(神奈川)、千田隆夫氏(岐阜)、 田畑喜彦氏(愛知)、塚田秀樹氏(京都)、譜久山明子氏(沖縄)、中島大祐氏(東京)、松田雅彦氏(神奈川)の9人です。
授与式には、リオ五輪審判員を務める隈元幸治氏が代表して出席し、他競技の国際審判員4人とともに鈴木大地長官から奨励状を受け取りました。
日本のスポーツ界は「審判員が本職」という人はわずかで、ボートを含む競技のほとんどが、職場の理解を得た上で審判員を務める「ボランティア」で成り立っています。
この実情について、文部科学省・馳浩大臣は「スポーツ基本法やスポーツ基本計画で、スポーツをする人、みる人、そして、支える人が大事だとうたわれている以上、 選手、監督、コーチ同様、審判員の活躍も認め、各競技団体の審判が、より積極的に活動できる環境をつくることが重要」としています。
こうした背景もあって、今回の長官奨励には「国際審判員の活躍を広く知ってもらい、社会的な理解を深めることで、審判員一人ひとりの活動環境を少しでも改善したい」という願いが込められています。
2020東京五輪を4年後に控え、「日本人審判員の世界での活動が、国際スポーツ界での日本の地位向上につながり、ひいては国内スポーツの新興を後押しとなるように」という国際審判員へ寄せられる期待は、今後さらに高まっていくようです。
【ローイング編集部】
懇談会での隈元審判員(右席中央)。「2020年東京五輪・パラリンピックに向けた審判員の育成が急務」が話題の中心だった。